12 あずさ 7.24 「肌に触れる夜風」
- 2014/07/18
- 09:48
レインボーカラーに染められたPARCOのロゴが、黒い街路樹の上で輝いている。モノレールの軌道に挑むかのような巨大モニュメントの下で、噴水の水がネオンを映す。
夜の中央公園は、その広い空間に目的のない人々を集めることで、ここが街の中心であると誇らしげに宣言しているかのようだった。スケボーをする若者たちの奇声が響く。
華やかなナンパ通りからこのにぎやかな一角へ歩いてくるまで、僕はずっとあずさに、さっきの買い物をしたときの袋を持たせていた。
アダルトショップで買ったグッズが入っている紙袋。
その姿は、昼間のように煌々と輝くライトの中で、すれ違う何百人という通行人に見られたはずだ。奇異な目を向けてきた人も一人や二人ではなかった。
スクランブル交差点を渡り終わり、中央公園の闇にまぎれると、あずさはほっとした顔になった。
怪しげな紙袋をこれみよがしに持たせられて、じろじろと見られ、上品な女子大生は気が気ではなかったのだ。ついたため息が僕のところまで聞こえたくらいだ。
黒く広がる空間では街路樹が点々とライトアップされ、語らうカップルやスケボー少年たちの姿が、完全に闇に飲み込まれるのを防いでいる。
タイル張りの大地と蒼い夜空の間には、三井ガーデンホテルの巨体がそびえ立ち、無数の窓明かりで平民どもを見下ろしていた。宿泊客はさぞいい気分だろう。
周囲は暗いが、あちこちに人の姿がある。
その状況の中で、僕はあずさに命じた。
「袋の中身を取り出してごらん」
「えっ」
「中の物を出して、直接手に持って歩くんだ。紙袋は僕が持っててあげるから」
闇の中ではっきりそれとわかるくらい、あずさの顔が強ばった。
暗がりとはいえ、もし近くまで人が来て手元を覗き込んだら、何を持っているか気づかれてしまうかもしれない。
それを考えると、いてもたってもいられないのだ。
「やらないと、ダメですか……?」
「恥ずかしいんだね。大丈夫、パッケージに入ってるから、よほど近くに来ないと他の人には何を持ってるかわからないよ。ほら」
といっても、パッケージは四角い透明の箱だ。一メートルくらいにまで接近されれば、中に男根の形のモノが入っているのがわかるかもしれない。黒色だから見えにくいが。
あずさはその場に立ち尽くした。本当に恥ずかしいのだ。
ノースリーブの肩やミニスカートの脚が、街路樹を照らす弱い光の余波を浴び、ぼんやりと白く浮かび上がっている。それがなんともなまめかしい。
半ば強引にグッズを袋から出させた。
あずさはそれを両手で抱えるように持ち、できるだけ人から離れて歩いた。スケボー少年が間近に通ると、悲鳴を上げて小走りになる。
半べそをかきそうな姿に心が痛んだが、実際はこの娘は、こうした仕打ちを受けて感じているのだ。いまもショーツを濡らしていることだろう。
中央公園を抜け、ガーデンホテルの脇を通って、さらに暗い道へと進んだ。
この辺りは交差点の向こうとは打って変わって、どこかうらぶれた感じのあるエリアだ。少し歩けば、県下最大の風俗街が再び派手なネオンを灯しはじめる。
若者やカップルどころか、普通の通行人さえあまり見かけない歩道を歩きながら、僕は再びあずさに命じた。
「それ、パッケージから出して」
「え」
「直接手に持って歩いてごらん。胸の前に掲げるようにして」
ぼんやりと浮かんでいるあずさのが、みるみるうちに白くなる。
パッケージから出せば、それは完全に、彼女の小さな手のひらからはみ出してしまう。つまり何を持っているか、ひと目でわかってしまうのだ。
いくら人通りが少ないとはいえ、周囲は高級な飲食店なども入っているビル街だ。いつなんどき酔っ払った男たちとすれ違うかわからない。
「どうしても……しないといけませんか?」
「命令だよ」
「でも……だって……」
昼間は一流大学で学び、友人たちと談笑する女子大生は、手にしたオモチャのパッケージをぎゅっと握った。
もしこんなところでこんな卑猥なことをしている姿を、知り合いに見られたら……。
その想像で、若々しい女体が震えている。
「早く」
諦めてため息をつくと、あずさは中身をおそるおそる、透明なプラスチックから取り出した。
薄闇の中でも、そのグロテスクな形がはっきりとわかる、極太のディルドゥ。案の定、彼女の小さな手からは肉太の半分以上が露出している。黒く闇に溶けるのが唯一の救いだ。
懸命にそれを手のひらで覆おうとして果たせず、あずさはそれをひたすら両手でぎゅっと握りしめた。
うつむいて歩いている彼女がそうすると、まるで愛しい男根を両手で慈しんでいるようにも見える。
僕はさらに命じる。
「歩きながら、その先っぽをぺろぺろ舐めてごらん」
「いやああぁ、できない」
泣きながら、それでもあずさは僕の命令を実行した。
醜悪な造形を闇に浮かび上がらせているディルドウの先端が、彼女の唾液で濡れ、頼りない街灯を反射して光っている。その光景がなんともいやらしかった。
暗い通りの一角、神社の手前にある公園に着いた。
さっきの中央公園とは打って変わって、ほとんど人の姿のない、うら寂れた場所である。最近の街中の公園としては珍しく、ちゃんとしたトイレを備えているので、昼間は客待ちのタクシーが路肩に並んでいる。
だが夜のこの時間だと、不気味な空き地のようだ。遊具も少なく、地面は荒れて緑も少ない。
それだけは立派なコンクリート作りのトイレへと、僕はあずさを導いた。二つに分かれている入口の、男子用へと引っ張っていく。
「ここで写真を撮ってごらん」
「写真……ですか、なんの?」
「ここの入口の、だよ。その画像を添えて、これから男子トイレに入ります、ってツイートしてみて」
それはつまり、これから公衆トイレで屋外調教されます、とツイッターで宣言することになる。あずさのフォロワーたちはまた狂喜乱舞するだろう。
あずさはスマホを取り出した。
男子用を示すマークがはっきりわかるように写真を撮り、言われたとおりの言葉を添えてアップロードする。
ほどなく、ツイートがタイムラインに乗った。夜の公衆トイレということはわかるが、場所の特定は難しく、位置情報もない。もし特定されたらたいへんなことになるだろう。
男子トイレの中には誰もいなかった。週末の夜、繁華街からこんなに離れている場所だから当然だ。だからといって通行人が来ないとは限らない。
あずさは汚いタイルの上で、困惑した顔で立っている。周りに並ぶ小便器や、公衆トイレ独特の異臭に眉を寄せていた。
これからこの男子トイレの中で、自分がどうされるのか、あずさは明確に予感している。ディルドゥを手に持たされているのだ。個室でそれを僕に挿入されるだろうと思っている。
だが、そうではない。せっかく見られて感じる露出性が高まっているのだ。そんな甘い調教で許すはずがない。
ぶるぶると震えるあずさに、僕は命じた。
「そこで立ったまま、自分の中に入れてごらん」
「ここで……ですか?」
あずさは辺りを見回した。壁に男性用小便器が並ぶタイルの上の空間は広く、いつ誰が来るかもわからない。こんなところで自分から股間に極太の擬似男根を入れるなど……。
「いやです、恥ずかしいです」
「やってごらんよ、見ててあげるから」
そう言って僕は、彼女の前にしゃがみこんだ。目線の高さがちょうど彼女の股間と同じ位置である。
あずさはいやいやと首を振った。まだ二十歳をいくらも超えていないお嬢さま女子大生にとって、男子便所でそんなことをするなど、羞恥の極みだ。
だが結局、僕の命令には逆らえない。奴隷の誓いをしてしまっているのだ。
色白の美人女子大生は「うう……」と呻きつつ、ミニスカートをずりあげて、その場でがに股になった。
「やっ、これ、恥ずかしい……」
そう言いながら、がに股姿の美人女子大生は、醜悪なオモチャを逆手で持つろ、その手をゆっくりと押し上げていった。
股間でぱっくりと口を開けている乙女の隠花植物が、その極太をぬめぬめといやらしく飲み込んでいく。
こんなに可憐な娘のこんなところに、よくもこんなモノが入るものだ──そう思わせる、それは奇怪で淫靡な光景だった。
「ああ……」
蜜壺が擬似肉棒でぱんぱんに満たされる快楽に、あずさは甘い呻きをあげた。
こんな臭くて汚い場所で、しかも卑猥な格好を強要されていても、刺激を受ければ若々しい女体はきちんと反応するのだ。
しゃがみこんで至近からそれを見ている僕の目の前で、女穴が張り裂けるほどに拡張され、そこからたらりと蜜があふれ出していく。
ぱっくりと開いたピンク色の入口の上端で、痛々しく勃起した肉豆が、もの欲しそうにひくひくと痙攣していた。
指を伸ばし、それをピンと弾いてやる。
「いやあああぁ」
がくん、と膝から崩れ落ちそうになり、あずさは顔をくしゃくしゃに歪めて泣きはじめた。
「ほら、上下にずぶずぶって動かしてごらん。自分で気持ちよくなりなさい」
「いや……こんなの……」
「こうやって近くで見ててあげるから、ほら」
僕の目の前で、巨大なディルドゥがぐちゃぐちゃと音を立てながら、卑猥な上下運動を繰り広げる。
女陰から出てくるたびに、黒い無機物の表面はねっとりと白い体液で汚れ、次第にその量が増えていく。
この娘は感じているのだ。いつ人が来るかもわからない男子トイレの真ん中で、その恐怖をぞくぞくと楽しみながら。
「あ、ダメ、イク……」
「立ったままイクんだよ。汚い床に倒れ込んだら後が大変だよ」
「だって、もう、ダメ……あああっ!」
しゃがんでいる僕の肩に手を掛け、あずさは立ったまま痙攣した。
背中を仰け反らせて「くうううっ」と絶頂に達する彼女のアクメの波が、手のひらを通して肩に伝わってくる。
その後僕は、ディルドゥを抜くことを許さず、そのままショーツを履かせた。男子トイレを出るよう促す。
暗い闇に沈んだ公園を歩いた。相変わらず人の姿はなかったが、そこかしこに気配のようなものを感じる。
人目につかない場所で抱き合うカップルがいるのだろう。もしかしたら同性同士かもしれない。そしてそれを植え込みの陰から覗く連中も──。
確実に、いる。
ぽつんと置き忘れられたベンチに並んで腰を下ろした。あずさの体をぐっと引き寄せ、両肘を突かせる。
「四つん這いになってごらん」
「ここで、ですか……?」
「そう。お尻は高く突き上げるんだよ」
女子大生ペットは言われたとおりにした。ベンチの上でメス犬の格好になり、ミニスカートのお尻をぐっと公園の植え込みに向けて突き出す。
さっき男子トイレで挿入した極太のディルドゥは、まだ彼女の体内に入っていた。極限まで布を引っ張られたショーツが、落ちないように蓋をしている。
そのスイッチを入れた。豊満な美少女の股間で、醜悪な器械がウィンウィンと唸りをあげる。「ああ……」と蕩けた表情になるあずさの顔を、ズボンの股間に押し付けた。
「そうやって感じながら、しゃぶってごらん」
「やっ……感じすぎて、うまくできません……」
「できるよ、あずさなら。ほら」
ズボンと下着を下ろし、怒張を取り出した。夜空へ真っ直ぐと伸びる肉の塔に、飼い犬はうっとりと鼻をこすりつけてきた。
痴態を晒すことを受け入れたように、美少女の舌がちろりと先端を舐める。やがてその動きが大きくなり、れろ、れろ、れろりと亀頭の周りを舌で愛撫しはじめた。
「きっとこの姿を、誰かが見てるよ。植え込みに潜んで、息を詰めてね」
「いやあぁ、恥ずかしい」
「見せてあげようよ、あずさは人に見られるのが好きなんだから。ほら、もっと気合を入れてしゃぶってごらん」
たしかにあずさは興奮しているようだった。オモチャで犯されながら飼い主の肉棒をしゃぶる姿を、誰かに見られている。そのことに昂っていた。
じゅるっ、じゅるるっと激しく肉棒に唾液をまぶすあずさを見ながら、もうこの娘は一生手放せないのではないか、と僕は思った。
(13へ続く)
夜の中央公園は、その広い空間に目的のない人々を集めることで、ここが街の中心であると誇らしげに宣言しているかのようだった。スケボーをする若者たちの奇声が響く。
華やかなナンパ通りからこのにぎやかな一角へ歩いてくるまで、僕はずっとあずさに、さっきの買い物をしたときの袋を持たせていた。
アダルトショップで買ったグッズが入っている紙袋。
その姿は、昼間のように煌々と輝くライトの中で、すれ違う何百人という通行人に見られたはずだ。奇異な目を向けてきた人も一人や二人ではなかった。
スクランブル交差点を渡り終わり、中央公園の闇にまぎれると、あずさはほっとした顔になった。
怪しげな紙袋をこれみよがしに持たせられて、じろじろと見られ、上品な女子大生は気が気ではなかったのだ。ついたため息が僕のところまで聞こえたくらいだ。
黒く広がる空間では街路樹が点々とライトアップされ、語らうカップルやスケボー少年たちの姿が、完全に闇に飲み込まれるのを防いでいる。
タイル張りの大地と蒼い夜空の間には、三井ガーデンホテルの巨体がそびえ立ち、無数の窓明かりで平民どもを見下ろしていた。宿泊客はさぞいい気分だろう。
周囲は暗いが、あちこちに人の姿がある。
その状況の中で、僕はあずさに命じた。
「袋の中身を取り出してごらん」
「えっ」
「中の物を出して、直接手に持って歩くんだ。紙袋は僕が持っててあげるから」
闇の中ではっきりそれとわかるくらい、あずさの顔が強ばった。
暗がりとはいえ、もし近くまで人が来て手元を覗き込んだら、何を持っているか気づかれてしまうかもしれない。
それを考えると、いてもたってもいられないのだ。
「やらないと、ダメですか……?」
「恥ずかしいんだね。大丈夫、パッケージに入ってるから、よほど近くに来ないと他の人には何を持ってるかわからないよ。ほら」
といっても、パッケージは四角い透明の箱だ。一メートルくらいにまで接近されれば、中に男根の形のモノが入っているのがわかるかもしれない。黒色だから見えにくいが。
あずさはその場に立ち尽くした。本当に恥ずかしいのだ。
ノースリーブの肩やミニスカートの脚が、街路樹を照らす弱い光の余波を浴び、ぼんやりと白く浮かび上がっている。それがなんともなまめかしい。
半ば強引にグッズを袋から出させた。
あずさはそれを両手で抱えるように持ち、できるだけ人から離れて歩いた。スケボー少年が間近に通ると、悲鳴を上げて小走りになる。
半べそをかきそうな姿に心が痛んだが、実際はこの娘は、こうした仕打ちを受けて感じているのだ。いまもショーツを濡らしていることだろう。
中央公園を抜け、ガーデンホテルの脇を通って、さらに暗い道へと進んだ。
この辺りは交差点の向こうとは打って変わって、どこかうらぶれた感じのあるエリアだ。少し歩けば、県下最大の風俗街が再び派手なネオンを灯しはじめる。
若者やカップルどころか、普通の通行人さえあまり見かけない歩道を歩きながら、僕は再びあずさに命じた。
「それ、パッケージから出して」
「え」
「直接手に持って歩いてごらん。胸の前に掲げるようにして」
ぼんやりと浮かんでいるあずさのが、みるみるうちに白くなる。
パッケージから出せば、それは完全に、彼女の小さな手のひらからはみ出してしまう。つまり何を持っているか、ひと目でわかってしまうのだ。
いくら人通りが少ないとはいえ、周囲は高級な飲食店なども入っているビル街だ。いつなんどき酔っ払った男たちとすれ違うかわからない。
「どうしても……しないといけませんか?」
「命令だよ」
「でも……だって……」
昼間は一流大学で学び、友人たちと談笑する女子大生は、手にしたオモチャのパッケージをぎゅっと握った。
もしこんなところでこんな卑猥なことをしている姿を、知り合いに見られたら……。
その想像で、若々しい女体が震えている。
「早く」
諦めてため息をつくと、あずさは中身をおそるおそる、透明なプラスチックから取り出した。
薄闇の中でも、そのグロテスクな形がはっきりとわかる、極太のディルドゥ。案の定、彼女の小さな手からは肉太の半分以上が露出している。黒く闇に溶けるのが唯一の救いだ。
懸命にそれを手のひらで覆おうとして果たせず、あずさはそれをひたすら両手でぎゅっと握りしめた。
うつむいて歩いている彼女がそうすると、まるで愛しい男根を両手で慈しんでいるようにも見える。
僕はさらに命じる。
「歩きながら、その先っぽをぺろぺろ舐めてごらん」
「いやああぁ、できない」
泣きながら、それでもあずさは僕の命令を実行した。
醜悪な造形を闇に浮かび上がらせているディルドウの先端が、彼女の唾液で濡れ、頼りない街灯を反射して光っている。その光景がなんともいやらしかった。
暗い通りの一角、神社の手前にある公園に着いた。
さっきの中央公園とは打って変わって、ほとんど人の姿のない、うら寂れた場所である。最近の街中の公園としては珍しく、ちゃんとしたトイレを備えているので、昼間は客待ちのタクシーが路肩に並んでいる。
だが夜のこの時間だと、不気味な空き地のようだ。遊具も少なく、地面は荒れて緑も少ない。
それだけは立派なコンクリート作りのトイレへと、僕はあずさを導いた。二つに分かれている入口の、男子用へと引っ張っていく。
「ここで写真を撮ってごらん」
「写真……ですか、なんの?」
「ここの入口の、だよ。その画像を添えて、これから男子トイレに入ります、ってツイートしてみて」
それはつまり、これから公衆トイレで屋外調教されます、とツイッターで宣言することになる。あずさのフォロワーたちはまた狂喜乱舞するだろう。
あずさはスマホを取り出した。
男子用を示すマークがはっきりわかるように写真を撮り、言われたとおりの言葉を添えてアップロードする。
ほどなく、ツイートがタイムラインに乗った。夜の公衆トイレということはわかるが、場所の特定は難しく、位置情報もない。もし特定されたらたいへんなことになるだろう。
男子トイレの中には誰もいなかった。週末の夜、繁華街からこんなに離れている場所だから当然だ。だからといって通行人が来ないとは限らない。
あずさは汚いタイルの上で、困惑した顔で立っている。周りに並ぶ小便器や、公衆トイレ独特の異臭に眉を寄せていた。
これからこの男子トイレの中で、自分がどうされるのか、あずさは明確に予感している。ディルドゥを手に持たされているのだ。個室でそれを僕に挿入されるだろうと思っている。
だが、そうではない。せっかく見られて感じる露出性が高まっているのだ。そんな甘い調教で許すはずがない。
ぶるぶると震えるあずさに、僕は命じた。
「そこで立ったまま、自分の中に入れてごらん」
「ここで……ですか?」
あずさは辺りを見回した。壁に男性用小便器が並ぶタイルの上の空間は広く、いつ誰が来るかもわからない。こんなところで自分から股間に極太の擬似男根を入れるなど……。
「いやです、恥ずかしいです」
「やってごらんよ、見ててあげるから」
そう言って僕は、彼女の前にしゃがみこんだ。目線の高さがちょうど彼女の股間と同じ位置である。
あずさはいやいやと首を振った。まだ二十歳をいくらも超えていないお嬢さま女子大生にとって、男子便所でそんなことをするなど、羞恥の極みだ。
だが結局、僕の命令には逆らえない。奴隷の誓いをしてしまっているのだ。
色白の美人女子大生は「うう……」と呻きつつ、ミニスカートをずりあげて、その場でがに股になった。
「やっ、これ、恥ずかしい……」
そう言いながら、がに股姿の美人女子大生は、醜悪なオモチャを逆手で持つろ、その手をゆっくりと押し上げていった。
股間でぱっくりと口を開けている乙女の隠花植物が、その極太をぬめぬめといやらしく飲み込んでいく。
こんなに可憐な娘のこんなところに、よくもこんなモノが入るものだ──そう思わせる、それは奇怪で淫靡な光景だった。
「ああ……」
蜜壺が擬似肉棒でぱんぱんに満たされる快楽に、あずさは甘い呻きをあげた。
こんな臭くて汚い場所で、しかも卑猥な格好を強要されていても、刺激を受ければ若々しい女体はきちんと反応するのだ。
しゃがみこんで至近からそれを見ている僕の目の前で、女穴が張り裂けるほどに拡張され、そこからたらりと蜜があふれ出していく。
ぱっくりと開いたピンク色の入口の上端で、痛々しく勃起した肉豆が、もの欲しそうにひくひくと痙攣していた。
指を伸ばし、それをピンと弾いてやる。
「いやあああぁ」
がくん、と膝から崩れ落ちそうになり、あずさは顔をくしゃくしゃに歪めて泣きはじめた。
「ほら、上下にずぶずぶって動かしてごらん。自分で気持ちよくなりなさい」
「いや……こんなの……」
「こうやって近くで見ててあげるから、ほら」
僕の目の前で、巨大なディルドゥがぐちゃぐちゃと音を立てながら、卑猥な上下運動を繰り広げる。
女陰から出てくるたびに、黒い無機物の表面はねっとりと白い体液で汚れ、次第にその量が増えていく。
この娘は感じているのだ。いつ人が来るかもわからない男子トイレの真ん中で、その恐怖をぞくぞくと楽しみながら。
「あ、ダメ、イク……」
「立ったままイクんだよ。汚い床に倒れ込んだら後が大変だよ」
「だって、もう、ダメ……あああっ!」
しゃがんでいる僕の肩に手を掛け、あずさは立ったまま痙攣した。
背中を仰け反らせて「くうううっ」と絶頂に達する彼女のアクメの波が、手のひらを通して肩に伝わってくる。
その後僕は、ディルドゥを抜くことを許さず、そのままショーツを履かせた。男子トイレを出るよう促す。
暗い闇に沈んだ公園を歩いた。相変わらず人の姿はなかったが、そこかしこに気配のようなものを感じる。
人目につかない場所で抱き合うカップルがいるのだろう。もしかしたら同性同士かもしれない。そしてそれを植え込みの陰から覗く連中も──。
確実に、いる。
ぽつんと置き忘れられたベンチに並んで腰を下ろした。あずさの体をぐっと引き寄せ、両肘を突かせる。
「四つん這いになってごらん」
「ここで、ですか……?」
「そう。お尻は高く突き上げるんだよ」
女子大生ペットは言われたとおりにした。ベンチの上でメス犬の格好になり、ミニスカートのお尻をぐっと公園の植え込みに向けて突き出す。
さっき男子トイレで挿入した極太のディルドゥは、まだ彼女の体内に入っていた。極限まで布を引っ張られたショーツが、落ちないように蓋をしている。
そのスイッチを入れた。豊満な美少女の股間で、醜悪な器械がウィンウィンと唸りをあげる。「ああ……」と蕩けた表情になるあずさの顔を、ズボンの股間に押し付けた。
「そうやって感じながら、しゃぶってごらん」
「やっ……感じすぎて、うまくできません……」
「できるよ、あずさなら。ほら」
ズボンと下着を下ろし、怒張を取り出した。夜空へ真っ直ぐと伸びる肉の塔に、飼い犬はうっとりと鼻をこすりつけてきた。
痴態を晒すことを受け入れたように、美少女の舌がちろりと先端を舐める。やがてその動きが大きくなり、れろ、れろ、れろりと亀頭の周りを舌で愛撫しはじめた。
「きっとこの姿を、誰かが見てるよ。植え込みに潜んで、息を詰めてね」
「いやあぁ、恥ずかしい」
「見せてあげようよ、あずさは人に見られるのが好きなんだから。ほら、もっと気合を入れてしゃぶってごらん」
たしかにあずさは興奮しているようだった。オモチャで犯されながら飼い主の肉棒をしゃぶる姿を、誰かに見られている。そのことに昂っていた。
じゅるっ、じゅるるっと激しく肉棒に唾液をまぶすあずさを見ながら、もうこの娘は一生手放せないのではないか、と僕は思った。
(13へ続く)